天才発明家キャラクターになろう


「ああ、
僕は特許をたくさん持っているからね。
黙っていてもおカネが入ってくるんだ……」

はじめに

*このページに限ったことではありませんが、以下の内容は誤りを含む可能性があります。

前提:現代日本

(おおむね2023年ごろ……)

年齢:いくつでもいい

特許をとるのに年齢制限はありません。
小学生の天才発明家キャラクターは問題なく存在できます。

(また、売買や相続などで特許を手にすることも可能です。)

手続きと費用

特許は取るのにも、維持するのにも費用が発生します。
(10年からは10万円を超すことも珍しくないそうです。)
特許庁 産業財産権関係料金一覧によると
特許出願は14,000円。
出願審査請求は138,000円+(請求項の数×4,000円)。
特許料は、
第1年から第3年まで 毎年 10,300円+(請求項の数×900円)
第4年から第6年まで 毎年 16,100円+(請求項の数×1,300円)
第7年から第9年まで 毎年 32,200円+(請求項の数×2,500円)
第10年から第25年まで 毎年 64,400円+(請求項の数×5,000円)
だそうです。

特許の「出願」だけは誰でも、なんでもできます。
お値段がお値段なので、ジョークでやるにはハードルが高いですが、この段階では審査を受けないため、結構怪しい出願も多いようです。
出願審査請求をすると、実際に審査の手続きに入ります。
(芽が出そうなものだけとりあえず出願しておいて、実際に特許を取りたくなったら出願審査請求をして審査してもらうようです。)

特許を取るには結構タイヘンな手続きを経て、特許料を納付しなくてはなりません。
しかも、ちゃんと数年ごとに更新しなくてはなりません。

「すごいくだらない発明をしたんだけど、ところがこれが大ヒット!
特許料で大儲けしてるんだ」

という場合、くだらないなりに、特許はきちんと出願していることになります。
(しかも、かなりちゃんとめんどくさい手続きをしています!)
せっせとお金をためたか、または人を雇って作業を投げられるくらいの状況であるか、または両親などの周りの人間がしっかりしているか、または企業からの援助を受けていそうです。

特許出願について代行・代理できる資格

「メンドウな手続きは、ぜんぶママにやってもらってるんだ」

待ってください。
特許出願について代行・代理できる資格は、弁理士と弁護士です。
上のような発言があった場合、ママが弁理士(弁護士)であるか、あるいはママが代理として弁理士や弁護士に依頼しているのでしょう。

ただし、特許料の納付は代理人にも可能です。

新規性

「やった! この発明品で大儲けだ!」

特許を取得するには、新規性が必要です。インターネットに公開したり、学会に発表したり、世間に公になった時点で新規性を喪失します。 ただし期間内であれば「発明の新規性喪失の例外規定の適用」を受けることができます(1年間)。

2年前にアップロードした動画の発明品がバズって、という場合は新規性が失われています。
たとえばX(旧Twitter)で発明品一連のポストをしたりしていると、すべて申請を出さなきゃいけないそうでたいそうめんどくさいそうでございます。

期間

「若いころ(30年前)に発明したものが大ヒットして、特許料で今も潤っている」

特許は、原則として特許出願の日から20年をもって終了します。

商標と違って、更新できません。
特許が永遠に更新できると後続の人たちが困るからです。
特許をとったのが大昔なら、一山あてた金を元手になんかやってるか、改良したもので新たに特許を取っているとか、そういう事情がありそうです。

細かいことを言うと出願の日からなので満20年じゃなかったり、その分申告すれば延長できたりしますが、だいたい20年しかもちません。
また「ひいおじいさまの残してくれた特許で親族が争っている」という場合、……特許は財産権なので、相続することができますが……。 存続期間は20年間ですから、ひいおじいさまはわりと最近まで発明家だったのでしょう。

職務発明

従業者等がした職務発明については、契約、勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、その 特許を受ける権利は、その発生した時から使用者等に帰属するものとすること (特許法第35条第3項)

ちょっと細かい話ですが、「職務発明」にあたる場合、大企業であれば、おおむね社内規則で特許は企業に帰属し、発明者は相応の対価を受け取っていることでしょう。
(なお、対価が安すぎるということで争いになったのが青色LEDです。)
企業にやとわれて研究をしている場合、たぶん特許は自分で持っていません。

ただし、自分で特許を取ってライセンスをしている場合、こっちは自分で特許とって、「やっていいよ」と言うやつです。
この場合は特許を持っています。

まとめ

特許は維持するのが結構めんどくさいやつで、また、思いのほか存続期間が短いです。
「研究だけはできる」みたいな締め切りをぶっちしそうなキャラクターを作る場合は、企業に勤めているとか、サポートがあるとか、何がしかフォローがあるとリアリティが増しそうですね。
ほか、発明品の権利を争うトラブルを描きたい際には存続期間が20年と短いので注意が必要です。
ただし、特許をとらないで、公にせず、企業秘密として保護する場合、もちろん期間はありません。

2024/02/07

特許庁 産業財産権関係料金一覧
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/hyou.html 2024/02/07 最終観覧